「ファミリーマート環境報告書2002」への意見

2003年2月7日

グリーンコンシューマー研究会

 「ファミリーマート環境報告書2002」についてグリーンコンシューマー研究会として意見を提案いたします。今後の環境報告書作成のためのご参考としていただければ幸いです。


ファミリマート環境報告書2003年版のサイトへのリンクは、http://www.family.co.jp/iso/iso7.html


 

1.        編集方針・対象範囲等(p.46):編集方針、対象期間・範囲等は、読者が最初に読むことができるように冒頭の頁に記載することが望ましいと考えます。対象範囲が不明確です。単体か連結かなどその範囲をはっきりさせる必要があります。「加盟店の事業活動及びお取引先にご協力いただいている対策」との表現はあいまいであり、都合のよい部分だけ記載しているとの誤解を生むおそれもありますので、説明責任の範囲をはっきりさせるべきです。

 

2.        会社概要(p.1.2):店舗分布図、商品分布別売上高などの必要な記載がありますが、「チェーン全店売上高」は、単体としての決算上の売上高を示しているのかわかりにくいので、報告書の対象範囲と同一なのか、異なるのかの説明が必要です。

 

3.        緒言(p.3):目次に「ごあいさつ」とありますが、単なるあいさつではなく、緒言(ステートメント)として、具体的なコミットメント(公約)が必要です。内容は「元気・勇気・夢」というような個人的発想だけでなく、COOとしてのビジョン・戦略を具体的に示すコミットメントとするよう望みます。その1年後のパフォーマンスを読み手が評価できるような内容であるべきです。この欄が署名入りで必要とされる意味をご検討ください。

 

4.        基本理念(p.5,6):「Co-Growing(共同成長)」の考え方は基本的なコンセプトとして極めて妥当性があります。「お客様」「地域社会」「加盟店」「お取引先」「社員」のステークホルダー5者とのコミュニケーションについて各論でも説明がされています。このコミュニケーションは情報開示・提供が基盤になりますが、それぞれPDCAサイクルにより積極的なアクションを継続的に起こしていくことが求められます。体系図では「社員」も表示をした方がよく、p.6基本理念の文中に「お客様」の表現がありませんが、標記との整合性を図ってください。また、基本理念制定・改定の年月を記載する必要があると思います。

 

5.        環境マネジメントシステム(p.7,8):推進体制はわかりやすく説明されていますが、活動の要の部分である「環境推進部」の体制について記載し、p.7の図にも加えると一層分かりやすくなります。

 

6.        マテリアル・フロー(p.9,10):「事業活動にともなう環境への影響」については数値を可能なところから入れるよう検討し、インプット・アウトプットの全体量が見えるようにしていただきたいと思います。1店舗当たりの数値が示されているのはわかりやすいのですが、前年度対比や環境負荷数値をCO2換算などで表示するような検討をしてほしいと考えます。なお、インプットには物流の項との整合性を図り、天然ガスを加える必要があります。

 

7.        環境教育(p.11,12):環境教育の実施人数などの実績数値の記載がもう少しあった方がよいと考えます。店長からのオリエンテーションの効果はどうなのか調査の必要があります。「ひと声確認」についてはp.31に実績の開示がありますが、徹底していないのではないかとの疑問もありますので、一層の徹底を図るとともに、実施状況のチェックを継続的に行うよう望みます。

 

8.        環境監査(p.13,14):マネジメントシステムの記載にとどまらず、マネジメントパフォーマンスを具体的に示していただきたい。責任者によるうまく進んでいるというコメントだけでなく、不適合の件数やその処理を具体的に記載してほしいと思います。更新審査に関して「環境保全係」を設けたとの前向きの報告がありますが、本部としてこのような改善を広げる働きかけが必要と考えます。

 

9.        実績と目標の総括表(p.15,16):「達成状況と環境目標」については2001年度目標・進捗状況、2002年度目標と継続性の見える記載があり、実績の自己評価もされています。また、各項ごとに詳細情報の記載頁を示すと見やすくなります。

 

10.店舗で行われている環境保全活動(p.19,20):分かりやすく店舗と環境とのかかわりが示されています。ただ、これらの取り組みを顧客がほとんど認知していないのではないかと思います。Co-Growingの基本理念の実践として環境活動を店舗でアピールすることも必要ではないでしょうか。環境関連の掲示ボードとかポスターとかチラシ置き場とかをこの店舗図に加えることができると、店舗が環境コミュニケーションの場になります。

 

11.商品(p.21233335)。「We Love Green」商品については環境配慮のみならず品質・価格の要素を加味して選定いるとのことですが、消費者は商品選択要素として、品質・機能・安全性・環境・価格等を総合的に評価、判断しますので、妥当な選択基準と考えます。商品全体のうち環境配慮商品はどのくらいなのか、ベスト10のみならず、全体像が分かるようにしていただきたいと考えます。総アイテム数のうち、PB商品はどのくらいあり、そのうち環境・健康に配慮した商品はどのくらいなのかを示してほしいと思います。 割り箸・紙皿、紙コップのような使い捨て商品は、素材の環境配慮だけで環境配慮商品といえるのか疑問がありますので、「We Love Green」商品の基準を示す必要があります。商品ごとに基準は異なりますので、基準の基本的な部分は報告書に記載し、詳細は求めにより又はホームページにより開示・提供するという方法も考えられます。基準については「製品ライフサイクル」の観点でご検討いただきたいと考えます。 商品に関する項立ては、A「環境活動2001」とB「品質管理活動2001」に分かれていますが、ABともに商品要素や食品の記載がありますので、項目を一本化した方が分かりやすいかと思います。食品については、環境配慮のみならず、品質管理を含め、安全・健康を含めた総合評価を開示しなければ消費者からの信頼は得られないと考えますので、今後一層の取り組みと情報開示を望みます。GRIガイドラインの「製品安全」指標の開示は、この側面での消費者ニーズの強い食品について先行させていく必要があると考えます。

 

12.物流対策(p.2426):物流体制の全体がよく見えません。配送体制のブロック化はどのようにされているのか、物流拠点はどのように配置されているのか、p.1の都道府県別店舗数と対比できるような配置図があると分かりやすいと思います。走行距離、軽油・ガソリン等の使用量、CO2排出量、NOx排出量のデータ開示も望みたいところです。CNG車の導入計画や七都県市指定低公害車への切り替えの取り組みについて車両の新規購入計画のどのくらいの比率を占めるのか、記載ごとの分母が異なるようであり、分かりにくい記載になっています。p.33の社有車の低公害車購入についてはよく理解できます。

 

13.店舗の取り組み−地球温暖化対策(p.2729)・廃棄物対策( p.3032):「エコショップ」はどのように位置づけているのでしょうか。新設店舗のごく一部にとどまっていることについてどう考えるのか、実験をいつまで続けるのか、今後どうするのかの方針を示す必要があります。また、省エネルギーなどの地球温暖化・フロン対策だけでエコショップと称することには疑問があります。p.3032に環境保全型店舗運営の実施の記載がありますが、その内容は生ごみなどの廃棄物対策であり、この分野で優れた店舗を環境保全型店舗と称することについては、エコショップとの関連で理解しにくいといえます。総合的に環境に配慮された店舗のネーミングを検討していただくよう望みます。基本的な方向としてどのような店舗を目指すのかのビジョンを示していただきたいと思います。 地球温暖化対策に関連して、1店舗当たり電気使用量にとどまらず、1990年比でファミリーマートとしての総使用量及び原単位データを示す必要があります。 ひと声確認活動の実績について開示がありますが、指数だけでなく使用量を記載していただきたいと思います。

 

14.環境コミュニケーション(p.41,42):個人読者の評価やコメントを並べている報告書が多いなかで、NPOとのコミュニケーションとして要望と回答を掲載する方式については、社会的な評価も高いと認識しています。

 

15.社会貢献活動(p.43,44):いくつかのパフォーマンスの記載がありますが、方針・目標をはっきりさせて実践し、開示するようなPDCAサイクルの設定が望ましいと考えます。社会貢献活動には寄付とボランタリーな参加活動がありますが、募金活動には自社のマッチングギフトを加える、従業員個人のボランティア活動を支援するなど、活動の質について検討課題としていただくよう希望します。

 

16.全般(1):多くの項目で「当年度目標・実績」のデータが記載されていますが、p.11,12のように「当年度目標・実績、次年度目標」の記載が必要です。目標は実績と同時にではなく、策定の時点で開示する必要があります。

 

17.全般(2):多くの項目で責任者・担当者のコメントがコラムで掲載されています。人の見えるコミュニケーションは望ましいと考えますが、社として開示すべき基本部分はコラムではなく記載本文に盛り込み、コラムは本文の説明を補強するための短いコメントとした方が分かりやすいと考えます。

 

18.今後の報告書:相次いだ企業不祥事、GRIガイドラインやISOでの規格化の動きもあり、企業の社会的責任(CSR)に関する関心が高まっています。P.3537に品質管理活動の記載がありますが、今後、社会的責任に関する内部体制整備と取り組みを強めながら、社会性報告を含むサステナビリティ報告の方向を強められるよう期待いたします。