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2000年代 急激に有機食品が増えた

米国のホールフーズ・マーケットを見学

米国随一の大型自然食品店「ホールフーズ・マーケットWhole Foods Market」の店舗を見学した。全米で400店舗を超える相当な規模の展開になっている。訪問したのは2011年7月18日(月)の午後1時半ごろ、シカゴ市内に2店舗あるうちの1店舗、ゴールドコースト店である。筆者は2002年に本部のあるテキサス州オースチン市の店舗を訪問したことがあるが、当時は全米で140店舗の規模であった。

店内は広く、日本のナチュラルハウスやこだわりやのような自然食品店の20倍ほどあろうか。野菜や果物、飲料は有機(オーガニックorganic)栽培のものが大半を占めている。乳製品、バターやチーズなどの酪農生産品も有機食品が品揃えされている。魚や肉も環境・安全配慮がアピールされている。店内の一角、窓に向かってカウンターがあり、椅子20脚ほどが並びテーブル席もある。買った飲み物やホットサンドを食べる人など、席は空いてもすぐに埋まっていた。

(お店と商品の写真16枚をご覧ください)

米国は欧州ほどではないが、2000年代になってから急激に有機食品が増えた。1990年代後半は耕地面積で1%の比率であったが、現在は3%。欧州は1990年代トップクラスのイタリア、オーストリアは各8%台であったし、3%を上回る国も多かった。認証基準は以前は各国任意の基準であったが、WHOとFAO合同の食品委員会、コーデックス(CODEX)委員会では1999年有機農産物ガイドラインを策定、2001年に畜産生産物ガイドラインを定めた。

米国の動きを振り返ると、1990年に「オーガニック食品法」が制定されたが、認証基準はできず、11の州と33の民間機関が認証を行なっていた。連邦政府の認証制度ができたのは2001年であった。その間1997年に基準案が示されたが、その内容は後のコーデックス委員会ガイドラインとはかけ離れたものであり、パブリックコメントには約20万件の意見が出され、大半が原案を批判し反対するものであったという。

日本でも2001年に有機農産物の認証制度が定められ、有機JASマークがスタートした。その後、畜産生産物の基準も出来たが、広がりは極めて弱い。日本は2年前の発表では有機農産物は生産量の0.18%で前年もほぼ同じ比率であった。世界的統計では耕地面積でデータを公表しているが、日本ではまだ耕地面積のデータはない。
途上国の生産者の生活と社会を支える公正貿易を旨とするフェアトレード商品はどうであろうか。フェアトレード製品の売上高ランキングは、19か国中第1位の米国1,178億円と第2位の英国が突出しており、日本は17位の10億円である(平成20年版国民生活白書より)。

米国あるいは欧米と日本のこの分野での格差はなぜ大きいのかについては、日本の改革のための基本テーマである。それは、日本人の「個人の自立」への社会的条件整備や「内向き志向」の改革を含め今後の課題として、ここでは米国の一つの販売活動から何らかのヒントを見出すことができれば幸いである。

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ゴールドコースト店の建物。1階は店舗、2階から上は駐車場

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店内1

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店内2

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野菜売り場。大半が有機野菜(有機か否かの表示が全ての野菜・果物に付いている)

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有機玉ねぎ(1ポンド当たり1.99ドルとの表示がある。1ポンドは約454グラム)

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有機トマトと有機レモン

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有機レタスなど

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有機イチゴ・有機ブルーベリーなど

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有機すいか

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コンベンショナル・グレープフルーツ
(コンベンショナルとは、有機ではなく慣習的な、という意味。
数品目あり、品目ごとに表示されている)

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有機ミックスジュース
(もちろんオレンジ、パイナップル、ピーチマンゴーなど単品の有機もある)

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有機たまご

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有機バター

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魚売り場(奥の左側の壁に乱獲防止などのMSC(漁業認証)マークの表示が見える。)

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MSC認証のサーモン(その表示がある。他にタラの切り身、帆立貝)

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肉(色分けで4ランクに区分された表示。
最上級ランクは飼料が自然の牧草90%以上などの基準)

写真は了解を得て数多く撮ったが、紹介した写真以外にも、パンやヨーグルトなど有機食品は豊富に品揃えされている。店中オーガニックだらけという印象であり、圧倒されて別世界にいるかのようであった。全ての商品の表示が明確で分かりやすい。野菜・果物では、一部見られた有機でないものには「conventional(慣習的)」の表示があり選別ができる。フェアトレード商品もあり、コーヒーは有機でフェアトレード・マークの付いたものが数種類あったが、購入したので写真には撮らなかった。

価格は一般の店とは比較しなかったが、野菜・果物は日本よりはるかに安く数分の1の値段のものもある。多少高くてもそれほどの負担にはならないのかもしれない。なお、2003年にオースチン市内のウオルマートの店舗を調べたことがあるが、有機野菜は10品目、価格は1.3~2.3倍であった。

webでは、店舗のみならず、whole foods marketの自然・健康・安全への活動などの全体像を見ることができる。関心のある方はどうぞ。

(文:緑川)