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「家を建てるにはこうする!」
ここがポイント−健康と環境によい家づくり

心構え:住宅展示場へいくのはちょっと待って……

 土地があって、そこに自分の住まいを建てたい。切妻屋根に白い壁、南面には大きな出窓、ウッドバルコニーには四季折々の花でいっぱいに……と夢は果てしなくふくらんで……。そこでまず住宅展示場へ……となるのですが、イメージや思いだけで展示場へ行くのはちょっと待って、まずどんな家を建てたいのかよく考えて構想を練りましょう。生活のデザインはそこに住む人が考えるのが大前提なのです。

1. 土地と道路の条件は?

 道路はどの方角に面しているか?南道路なら理想的だが東や西、北道路の場合、それぞれ間取りに工夫がいります。道路を生かして、その方向からの採光と風をうまく取り入れる工夫をすれば部屋は明るく、冬の暖、夏の通風が得られ、省エネにつながります。さらに天窓などをつけて照明や暖房、冷房の節約につなげましょう。

 隣接した家の屋根の形や高さ、境界線からの建物の距離や窓の位置も確認しておきましょう。窓を開けたら隣が丸みえでは折角の窓も効果半減。少しずらして造る必要があります。また、南側の家の屋根に着目し、採光を得られる時間を可能な限り長くする工夫をしたいものです。
 土地の建蔽率を調べて、何坪の家が建つか、高さ制限は?などの建築の条件を確認しておきます。

2. 間取りは将来を見越して考える

 間取りは家族構成や家族のライフスタイルによって異なります。そこに住む家族の一人ひとりがどんな価値観で生活しているか、住まいはそれを満たす大切な空間です。

 ロングライフ−最近、住宅販売の宣伝によく使われる言葉です。長く住める家を建てることが大切な条件です。日本の住宅寿命は欧米各国に比べて非常に短いのです。(表1)

 スクラップ&ビルドによる資源とエネルギーの浪費や廃棄物の増加は無視できない大きな問題です。ロングライフ住宅を建てるためには土台と基礎、構造などの骨組みの耐久性がまず求められます(あとで詳しく説明します)。

 長く住むには、その間の家族構成の変化を考えて、2世帯になったとき台所や風呂などの水回りやガスの設備のための配管をしておく、高齢化に備えてバリアフリーの対策も必要です(あとから付けるととてもコスト高になる)。
 例えば、車椅子の使用を想定して段差は極力つけないで階段の勾配はゆるやかに(踏み板の幅は25 cm、段差は19 cmはほしい)。段差が1 cm少ないだけで体への負担は随分少なくなるのです。トイレや廊下は広くとり、手すりをつけられるように、車椅子になっても介助が楽にできるようになど、先を見越した間取りを考えましょう。

3. 資金計画は優先順位を考えて

 日本の住宅は費用算出の際、坪単価でだします。坪単価の中身は消費者には知り得ないあいまいな数字とも言えます。

 最近、坪単価がこれまでの常識を破る25万円という建て売りを販売して人気を集めたようです。平均相場の半額以下の価格はなぜ実現したのか。もちろんコスト削減のための懸命な企業努力もあるでしょうが、何十年も住む住宅としての性能や品質管理、耐久性に問題はないのでしょうか?
 少なくとも何故安いのか、何がどう違うのか、安さの理由をしっかり認識したうえで考える必要があります。住宅や土地に掘り出しものはないと言います。安さの裏に何が隠れているのかを見極める必要があります。ローン返済を20年に組んでも、それ以前に住めなくなった例はいくつもあります。

 では十分な資金がなければ家は建たないのかというとそうではありません。あとから手直しできるところは、余裕ができてからやり直せます。

 住宅の寿命を決めるのは基礎と土台、骨組みです。つまり基本構造部分なのです。住宅展示場では容易に確認できない部分ですがここが重要なのです。この部分はケチらないことが大切です。あとの体験談を参考にして下さい。最近100年住宅など耐久性を売り物にするメーカーも出ています。100年もつという根拠を調べてみるのも必要でしょう。

 展示場へ行くまえにする下準備と事前勉強はできるだけ時間をかけてやっておくことをお勧めします。展示場で客を獲得するためにあの手この手で迫ってこられても、自分なりの考えを持って行けば、勧誘にのせられずに冷静に選べるでしょう。

「展示場ではここをチェック」参考情報

  • 展示場の建物は見せるためのものです。隣家との間隔もゆったり取り、坪単価にはいとめもつけずに建てられたショールームです。一見便利な間取りや収納の工夫、ステキな演出に心を動かされて部分だけを見て全体を見ないことにはならないようにしましょう。
  • メーカーそれぞれの「売り」は何か。こだわりや力を入れているところを聞いて比較します。環境共生住宅、耐久性能、耐震性能、耐火性能、健康仕様、省エネ性、バリアフリー仕様、太陽光発電、雨水利用などさまざまな「売り」が消費者を惑わせます。
  • 各メーカーの「売り」の中身をしっかり把握し、例えば環境共生住宅とは具体的に何がどう環境共生なのか、健康仕様とはどんな工夫がされているかを納得のいくまで説明を受けましょう。そうするとおのずから各メーカーの取組姿勢やコンセプトが見えてくるものです。
  • メーカーの提唱する環境対応とは、快適さを追求するのに人の手をかけないで新たな設備を導入する方法が目立つのです。エネルギー消費量は当然増えるはずですが、省エネ機器の開発と自然エネルギーなどの利用で環境に配慮しているように印象づけている気がしませんか?

    どうもこのままいくと、家庭のなかの設備機器はますます増えていく気配がします。我が家に本当に必要な設備は何かを良く見極め、メーカーの「環境対応」の売り文句にのせられない判断力が求められます。
    環境をキーワードにモノをドンドン作って売ろうとするメーカーのネライにはのらない消費者でありたいものです。
  • 住宅メーカーが決まれば建物の工法や構造は決まる
    どんな工法・構造の家に住みたいか、しっかり研究、検討して自分のニーズに合った工法を見つけると自ずとメーカーが決まってきます。
    工法を建物の外観から見分けることは難しいですが、モデルハウスの入り口には記載されていて中には模型などがあり、構造を理解する手立てになります。それでも基礎的な知識をもって出掛けるのとそうでないのとは大違い。相手のペースに乗せられることも避けられます。

    ちなみに工法には、
    1)木造軸組 :柱と梁など木材の骨組みで建物を支える構造
    2)ツーバイフォー:4面の壁と2面の床と天井の6面体で建物を支える構造
    3)木質系パネル:ツーバイフォーと同じく壁、床、天井の6面で建物を支える構造
    4)鉄骨:鉄骨の骨組みで建物を支える構造
    5)鉄筋コンクリート:主要構造部を鉄筋コンクリートで支える構造
    6)ユニット住宅:建物をいくつかのユニットに分断して工場で建物の70~80%を完成させる工法
    などがあります。


(2003年4月 文責:矢野郁子)