カーボンフットプリントの商品へのサンプル表示 | グリーンコンシューマー研究会 WEB

HOME > 記事 > カーボンフットプリントの商品へのサンプル表示

カーボンフットプリントの商品へのサンプル表示

carbon_foot_print.png カーボンフットプリント」は、「商品・サービスのライフサイクル全般(原材料調達から廃棄・リサイクルまで)で排出された温室効果ガスをCO2の量に換算し、わかりやすく表示したもの」です(写真参照)。

 カーボンフットプリントと聞いて想起されるのは、「エコロジカルフットプリント」です。1990年代初頭にカナダのリースらによって提起されたその概念(「環境への足跡」という意味)では、現在の人間の生活を維持するために必要な資源を生産し、排出物を処理(二酸化炭素の吸収など)するために必要とされる土地の面積で、環境に与えている負荷の量を表わします。

 例えば、2005年の日本全体のエコロジカルフットプリントは6億2,769万グローバル・ヘクタールで(WWF「生きている地球レポート」2008年版に掲載の数値より計算)、日本の国土面積3,700万ヘクタールの16.6倍となっています。
 これに対してカーボンフットプリントは、商品ごとに生産から廃棄までに排出する温暖化ガスの量を重量で示します。そして、それを商品に表示することにより、消費者が消費活動を通じて排出する温暖化ガスの量を把握し、その量がより少ない商品を選択できるようにすることを意図しています。

 カーボンフットプリントの表示は、英国を始めとする欧州で先行しており、例えば英国の小売業者のテスコ社は、販売する20品目ほどにカーボンフットプリントを表示しています。また、国際標準化機構(ISO)での国際規格化の作業も進んでいます。
 日本では、経済産業省が2008年6月に「カーボンフットプリント制度の実用化・普及推進研究会」を立ち上げ、検討を行ってきました。そして、2008年12月に開催された「エコプロダクツ展」で、上記研究会の参加企業30社が、カーボンフットプリントの試験的表示を行った商品を展示しました。

 それらを見ると、ライフサイクル全体での温暖化ガス排出量は、例えば、東芝製の電球型蛍光灯が4.61g、コクヨのキャンパスノート1冊が197g、サッポロの缶ビール1本が295g、イオンが販売するレトルトごはんが466g、花王のメリットシャンプーが11.7kgと、意外な商品が意外に多くの温暖化ガスを排出するらしいことがわかります。
 エコプロ展での表示では、排出総量のみならず、原材料調達、生産、輸送、販売、使用、廃棄・リサイクルという、商品のライフステージごとの排出量や排出割合も示されており、例えば電球やシャンプーでは、温暖化ガスのほとんどが「使用時」に発生し、ノートや食品では「原材料調達」や「生産」の段階での排出量が多いことなどがわかります。

 イオンは、原材料調達と生産を合わせて「つくる」、商品輸送と販売を合わせて「はこぶ・はんばい」、使用と廃棄・リサイクルを合わせて「つかう・すてる」として、それぞれの排出割合を全体の排出量とともに大まかな円グラフで示していました。買い物の際に、パッと手に取って見る場合には、この程度の表示の方が直感的にわかりやすくてよいかもしれない、と思いました。
 もっとも、今回の展示は試験的なもので、実際に店頭でカーボンフットプリントを表示して販売する予定の企業は少ないようです。

 イオンは、2009年1月9日~14日に東雲店など10店舗で、人参、玉ねぎ、米、レトルトご飯、コピー用紙、充電池について、実験的にカーボンフットプリントを表示して販売するそうです。エコプロ展のなかでも、このカーボンフットプリントの展示コーナーは常に人だかりがしていて、人々の関心が高いことを示していました。

 消費者が、自らの消費行為に伴う温暖化ガスの排出について、意識を高める一助となればよいのではないかと思います。